2025年からちょうど100年前。
1925年に日本に移入され、その後、芦ノ湖に放流されたのが我が国におけるブラックバスの歴史の始まりである。
オオクチバス(ラージマウスバス)よりも低水温を好む事から生息域が限定的な本種。
バス来日100周年の節目に釣る機会があったので、せっかくならという事で釣行記兼食レポとして綴っていく。(スモールマウスの定着はラージより後とされているが…)
いざポイントへ
奈良でタウナギ釣りを楽しみ深夜2時にY氏宅に一時帰宅、1時間で準備して車中で30分うたた寝し、数時間ゆられてスモールマウスがいるというポイントに案内してもらった。(27時間ぐらい活動した。)

山深い場所という事もあり、到着してすぐに野生動物の足跡を見つけた。
日本でバスを釣るという事は…
特定外来生物法が施行されて以降に生息範囲が河川等に拡大したとされる本種は、長野県の野尻湖や福島県の桧原湖以外ではバスフィッシングのメディアやプロは撮影、大会等を避けているようだが…
僕が案内してもらったのは野池だった。
つまり誰がが違法放流をしたスモールマウスを釣る…包み隠さず言えば、僕は違法放流の恩恵をしっかり享受する形になる訳だが、せめてもと食べる分をキープする事にした。
スモールマウス、ラージマウス共に、釣り堀以外で釣るならば国内では基本的に密放流の恩恵を受けていると言って差し支えない。
バスフィッシングは好きだが、バスの密放流や違法放流には厳しい目を向けていく必要があると僕は常々思う。
だけど釣り人として
なんて思いながらも、バスを釣りたいというのが釣り人としての正直な気持ちだ。
朝マズメは気合いバッチリのトップウォーターからスタート。
しかし慣れ親しんだラージマウスとは性格が違うようで、頭では理解しているつもりでもなかなか釣ることが出来ず朝イチの良い時間を逃してしまった。
ラージマウスバスなら出るべきタイミングなのに、スモールマウスは思ったタイミングでトップウォーターに出ない…慣れてないと難しい。
この難しさが釣り人の「釣りたい!」という欲を掻き立てる。
なんとか一匹目

とても小さいが嬉しい一匹。
ワームをノーシンカーでキャストしてフォール中に。色々試したが、ノーシンカーでのフォールには好反応だった。小さいが、とりあえずこのスモールマウスはキープする事に。
その後も試行錯誤しながらトップウォーターを攻め続け、

ポップXでこの日一番のサイズをゲット。
50cmぐらいがマックスサイズで、この野池では餌が少ないせいか小型が多いとの事だった。
しかし本種の引きは非常に強く、ラージマウスバスで言うならプラス10cmぐらいのサイズ感を思わせる。なるほど、釣るのも少々難しく引きも強いとなるとゲームフィッシングのターゲットとしては最高と言っても差し支えない。特定外来種である事が惜しいほど魅力的な魚だ。
しかし現実は…。
この魚に罪は無いが、我が国での立場は害魚となってしまっている。
情が移る前にさっと血抜きしてキープ。

うまそうなサイズ感だ
その後ある程度コツを掴んだので、池を回りながらスモールマウスを追加していく。

血抜き締めをすると、トラ模様が浮き上がる。魚としては非常に格好良いなと思う。

朝イチでは不発に終わらせてしまったトップウォーターでも難なくキャッチ。サイズは非常に小さいが…。
胃袋の中身
食べる分をキープしたので、とりあえず鱗と内臓を処理する事にした。

腹を開けると出てきたのはアメリカザリガニだった。
他の個体もザリガニらしきオレンジ色の未消化物が出てきたので、ザリガニを好んで食べているようだった。もしかしたら他に餌が無いのかもしれない。

実際アメリカザリガニをたくさん見かけたので彼らの主食はコイツらで間違いなさそうだ。アメリカの魚がアメリカのザリガニを日本国内で食っている…。
アカミミガメやウシガエルも見かけたし、セイタカアワダチソウやアメリカセンダングサなども生い茂っている。
近年、日本の生態系はどんどん米国化してるように感じるのは自分だけだろうか。

外来魚であることが非常に残念だ。
細かいことはさておき、本来は食用として持ち込まれたスモールマウスバス。見た目も非常にカッコ良いと思う。しかし国内ではタナゴやハゼ等の貴重な在来種を食害しているというのは非常に残念に思う。
が、今回頂点捕食者となるのは僕だ。
美味しく食べてやろうではないか。
いざ実食
・唐揚げ

低温で持ち帰ったスモールマウス。

さっと3枚におろしたら片栗粉をつけて
皮付きで油で揚げる。

塩とレモン汁を用意。フワフワの身質で、臭みは全くない。1日寝かせて熟成が進んだのか、旨味もしっかりあるように思う。

レモン汁より天つゆが良かった。
唐揚げにしたが、次は天ぷらで食べたい。非常に美味い。
・酒蒸し

皮を引いて塩、昆布、日本酒。(引いた皮も添える)
ラップをかけて電子レンジで加熱したら完成。

いざ実食。

美味い!
身にも皮にも、臭みが無い。適度に締まっていながらも口の中でほどける身質。タイの酒蒸しのようで非常に美味しい!
もっと釣って帰れば良かった…
・皮ポン酢
X(旧Twitter)のフォロワーさんから教えて貰った食べ方だ。
いかんせん皮の量が少ないが、味見には問題ないと思われる。

さっと湯引きして氷水で冷やし、水気を拭き取ったら刻みネギとポン酢、お好みで唐辛子。
いざ実食…。
美味い。
こちらも臭みは全くない。
旨味も感じる。
酒が欲しくなるような味だ。(飲めないが)
次回は多めにキープして、この食べ方を存分に楽しみたいと思えるレベルだ。
まとめ
味に関して…
加熱調理した白身の美味しさには非の打ち所が無いのだが、淡水魚故に安易に生食が出来ない点が、本種に限らず淡水魚全般に言える唯一にして最大の欠点だなと思います。やはり日本人は刺し身が好きなので、ある程度安心して生食出来ないとなると、魚への評価やウケは悪くなるように思うので、本種が食用に移入され非常に美味しいにも拘らず、食用として流行らなかった要因の一つかなと思う次第です。
(生鮮食品の輸送技術の高まりが内陸においても淡水魚を食べる文化を衰退させた事は言うまでもないかと思いますが、それはまた別のお話。)
とはいえ、スモールマウスは揚げても蒸しても美味い。おそらく煮ても焼いても、きっと生でも美味いに違いない。
機会があればまたキープして食べ方を研究しようと思う。
スモールマウスバスを釣った事に関して…
今や外来種代表、悪の象徴の如く言われるブラックバス…その中でも今まで釣る機会に恵まれなかったスモールマウスバスを、バス来日100周年の節目に釣って食べ、外来種問題についてさらに考える機会になった今回の釣行は、自分の中で非常に良い経験になったと思います。
日本へ移入されて100年が経過してなお擁護派と駆除派の対立が激しいブラックバス。
現実的に、現状のブラックバスの根絶が可能なのか、可能だとして全て根絶されるのか、それとも一定の共存をするのか。
日本では何年経っても在来種になれない本種が、今後どのような立ち位置になっていくのか、釣り人として注目していきたいと思う次第です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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